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炎と涙と君への、 / 金沢

アラカン123話のカンナギとアカチのやり取りに萌え転がったのですよ。
てゆかこのやり取りカシアリでも行けるんじゃねえの行けるよねえアリババくんてば炎のジン使いだしねえどうしようどうする俺こうなったらいっちゃういっちゃおっかよし思いついたネタは吐き出しておくべきだぜ誰もついて来れなかろうがなふはははは!!!
…とばかりのネタでございます。
要はカシアリの二人にアラカン123話を演じてもらおう、っていう話です。
ごめんなパロネタ好きで。
ていうわけなので、苦手な人は進んじゃいけねえよ★

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カシムとアリババでアラタカンガタリ123話。
への、】

「俺はもう、死んでるんだ」

 カシムの語った話は唐突過ぎて、理解が追いつかなかった。
 頭が働かない。言葉が出て来ない。
 呆然としているアリババの前で、カシムの体がぐらりと傾いだ。
 慌ててそれを支えるが、満身創痍の体とおまけに左腕が動かない所為で膝を着いてしまう。
 だがアリババの体がぎくりと強張ったのは、痛みの所為などではなく。
 抱きとめたカシムの体が、先程の言葉の正しさを示すかのように冷えたものだったからだ。
 つい今し方までぶつかり合っていたとは思えない程に、冷たい体。

「カ、シム……?」

 呼ぶ。カシムは、アリババの肩に力なく頭を乗せていた。
 触れているのに、抱きしめているのに、カシムが段々と遠ざかっていくような気がする。怖い。失われていくような予感がちりちりと意識を、心を焼いている。それが、ただ恐ろしく感じられた。
 震える右手をカシムの背に回す。

「なあ、アリババ……お前の炎で、俺を、焼いてくれないか」
「っ!?」
「こんな事、頼んで悪ぃ……けど、お前にしか頼めないんだ。土になんか、還りたく、ない」

 淡々と語るカシムの声は、ひどく静かなものだった。それでいて、揺るぎない覚悟を感じ取るには充分すぎる程の。
 嫌だ、そう言いたいのに声が出ない。
 必死に首を振る。
 アリババの肩に額をつけたカシムが、小さく笑うのが聞こえた。その音でさえ、届かない場所にあるようで。

「……っ、きろ、生きろよ、いやだ、カシム」

 首を振りつつ、どうにかこうにか喉から言葉を絞り出す。
 カシムの体が冷たい。それが嫌で、哀しくて、アリババはその背に回している右手に力を込めた。
 動かない左手に苛立ち、唇を噛む。
 自身の体温を分け与えられさえすれば、カシムの命を繋ぎ止められるのだと信じてでもいるように。

「……アリババ」
「いやだ! 生きてっ、生きてくれよ、カシム。頼む、から……っ」

 震える声での願いは、けれど聞き届けられることはなく。
 アリババの腕を掴んでいたカシムの手から力が抜け、ずるりと投げ出された。
 動き出した時間は待ってくれない。零れ落ちた水は還らず、指の隙間から落ちる砂を留めることは出来ない。
 それを悟ったアリババは一度瞠目し、何かに耐えるようにぎゅっと目を伏せた。
 だがその葛藤も時間にすればほんの一瞬で。

「……アモンッ!!」

 自身のジンを呼ぶその声は、震えてはいなかった。
 ドン、と空気を揺らし、カシムの体が炎に包まれる。その体を腕に抱くアリババもまた炎の中にいるも同然なのだが、アモンの炎が主であるアリババを焼くことはない。
 炎に飲まれていくカシムを抱きしめ続けるその様子は、まるで炎そのものを抱いているかのようにも見えた。
 視界を染める紅蓮の炎を見ながら、アリババはどこか呆然とした表情だった。炎を前に尚、何が起きているのかその心に届いていないかのような。
 だが、頬を伝う涙が何よりその心を表していた。その涙は、炎の生み出す熱気ですぐに蒸発して消えていったのだが。

 ……いっそ、この炎が。俺をも一緒に、焼けばいいのに。
 お前と一緒なら、それでもいいって、そう思えるのに。
 縋るように考えるが、その願いが果たされることはないとアリババ自身痛い程によく分かっていた。
 抱きしめるカシムの体が、ゆっくりと形を失くしていく。
 俺の腕は、何を、何も。
 慟哭の代わりに炎が揺れる。


 アリババの肩に額を乗せたまま、カシムは穏やかに目を閉じていた。
 契約を交わした、あの時から。心も体も時間を停めていた。何も感じなかった。
 そのはずなのに、何故か。単に契機が切れたからなのか、それともジンの炎は特別なのか、体を包むそれを暖かく感じた。

 この炎はコイツの心だから、かもな。
 らしくない事を考え、ふっと笑う。
 腕がもう動かない事が、最期にその背を抱きしめ返せない事が、ただ残念だった。
 四肢を、体を焼いていく炎はまるでカシムを赦してくれるもののように思えた。
 アリババのジンが生み出した炎と一つになり、カシム自身もまた炎と化していくかのような。
 ただ朽ちて土になるよりも、その方がずっと。

 炎の勢いは激しく、だが背中を抱くアリババの腕の感触だけは消えなかった。
 その手が震えている。
 きっと泣いているんだろうな、と見ずとも分かった。

 なあ、アリババ。泣くなよ。
 お前は俺の望みを果たしてくれた、それだけのことだ。
 お前の優しさにつけ込んで甘えてばかりで、悪いな。でも、俺は。
 俺は、いつだって。
 おまえと共に在るよ。
 そう、誓う。



マギもアラカンも滾ったわぁ27号は…
という思いの丈をぶつけてみましたっ。
俺が殺した、ってんならこのくらいやってからだよアリババくん、というのも込めつつ。
だってあのこ…また背負ってるからぁぁぁ!!
しかしホント今カシアリ好きっぷりが病的な域な気がするんだよ自分。
いやもうホントに、マジで。
だ、誰かカシアリ…ください…(爆)(そこなのか)
 

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