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恋、未満。【少しだけ近付いた距離】

本誌132、133夜のネタバレありです!
そこから妄想を広げに広げた、完全に捏造IF話なのでご注意をば。

まあ出た当初から私落ちそうだなーと思ってたらここ最近の展開でころっと落ちた、オルバくんです。
オルバ→アリババ風。
内容は…タイトルから察してください(笑)

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恋、未満。 【少しだけ近付いた距離】

 アリババと面と向かって会うのは、一年近くぶりだった。
 とは言え魔法道具であるルフの瞳を介して何度か会話をしてはいたし、オルバたちを引き取った責任感故かアリババは頻繁に手紙を寄越してくれたりもしていたからか、そこまで久し振りと言う印象はなかったりもする。
 船から降りて来たアリババは、少しだけ髪が伸びていたくらいで後は以前と変わりないように見えた。
 港には剣の師匠であるという八人将の男が出迎えに来ていて、船から降りたアリババは先ずそちらと挨拶を交わしていた。

「オルバ、久し振りだな!」 

 挨拶が済んだらしいアリババはオルバたちの元へ駆け寄ってきて、嬉しそうに声をかけてくる。
 オルバは何と返したらいいか分からず、結局こくりと頷く事で返事をした。
 そっけない反応になってしまった事を首を動かしてからすぐに後悔したが、アリババは気にした様子もなくオルバの周囲にいる弟妹たちにも声をかけている。
 まだ小さな妹などは頭を撫でられて楽しそうに笑い声を上げていた。

「元気そうじゃん。心配はしてなかったけどさ」
「……まあ、食い物に困ったりとかは、してねえから」
「お前も血色良くなったなあ、うん。健康そうになった」

 肩にぽん、と手を置きながらアリババはひどく嬉しそうに言う。
 何がそんなに嬉しいのかオルバにはちっとも分からなかったが、アリババが笑っているのでそれでいいと思った。
 アリババがシンドリアに帰って来るという報せを聞いた時、最初は迎えに来ることなど思い当たりもしなかったのだ。
 迎えに行きたいと言い出したのは幼い弟妹たちだった。
 結果としてアリババは喜んでくれているようなので、来てよかったのだろう。

「っつかお前、背も伸びたんじゃねえの?」
「まあ、少しは」
「いやいや、少しじゃねえだろ! だって前より目線近いし……っていや俺もまだ伸びっから、これからだから」

 自分に言い聞かせるように呟くアリババを上から下まで眺める。
 確かに、以前よりも顔が近くなっていた。
 あまり気にした事はなかったが、シンドリアでの規則正しい生活はオルバにも年相応の成長を促していたらしい。
 縮まった身長差はそのままオルバとアリババとの距離が近くなったような気さえして。オルバはにやりと、唇の端を上げた。

「俺が抜かす方が早いかもな」
「……言うようになったなあ、お前」
「事実だし」
「反論出来ねえー……」

 悔しげに顔を歪めたアリババが、くしゃりと片手で自身の髪をかき乱した。
 久し振りに目の前で見るアリババの髪は、相変わらずどこか優しげな印象を与える金色をしていた。日の光の下だからか、やたらきらきらとして見えて眩しい。
 あのきんいろに触ったら、どんな顔をするだろう。
 一瞬何となくそんな事を考えて、けれどオルバは結局手を伸ばすことはしなかった。
 今の身長差なら、少し手を上げれば難なく届くのだろうと分かってはいたのだけれど。脈絡なく髪に触れて、アリババがどんな顔を、反応をするのかまでは分からなかったのだ。
 アリババの性格なら、嫌な顔をしたり振り払ったりはしないと分かってはいるのだけれど。
 それでも尚、拒絶されたらと頭の端を掠めた考えを振り払う事が出来なかった。
 だから、オルバはひそやかに自身の指を握り込むに留めた。 

 縮まった距離はほんの僅かでしかなく、まだまだアリババのことを知らないのだと気付かされる。
 四六時中一緒にいたわけではないのだから、当然のことなのだと分かっているけれど。
 何故だろう、それがひどく面白くないと感じた。
 笑顔を向けられ、軽口を叩くことも許され、けれど理由もなく触れるには躊躇われるだけの位置。
 腹の底を抉るような焦燥と、近くなった目線に対するひそやかな歓喜と。
 相反する暗い気持ちと暖かな気持ちを抱きながら、それでもオルバの中に強く芽生えたのは。
 近付きたい。
 理由も分からず、けれど必死に願うような感情だった。

 もう一歩だけ近付いたら、アリババはどんな顔をするのか。何を言うのか。
 それが知りたいと、無性にそう思った。



アリババがシンドリアに帰還したら、という妄想捏造話でしたー。
来週以降信号機組がどうなるのか分からないのでその辺りはぼやかしつつ。
オルバがゆっくりとアリババに心を傾けていったら素敵だよねー、何て妄想でした!!
また…書きたい…ぼそり
 

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