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・デビサバ面白いよ! っていうのをマギクラスタさんに紹介したくてマギでデビサバの設定をやってみたらどうだろう、と考え出したら止まらなくなった設定+小話ごった煮
・出したいキャラを詰め込んでいるので本編でこれからどうなろうと知ったこっちゃないぜ状態
・ソロモンに対する私的解釈+デビサバ設定の為諸々の要素を付加していたりしますがソロモンに対して怨みがあるわけではありません
・マグノ編完結前に考えてたので原作と色々違う
・設定だけなので完結までいってない(あかんやつ)
「封鎖!? じゃあ、今……」
「ええ、誰も出られないし、逆に入って来る事も出来ないって事よ」
「……なあ紅玉、その話、誰から……」
「……紅炎お兄様から、よ。だから、信憑性は高いと思うわぁ」
俯いた紅玉を前に、アリババはどうにも嫌な予感が胸中を渦巻くのを抑えきれないでいた。
久し振りに紅玉に会えたというのに、再会を喜ぶどころの事態ではないというのがやり切れない。
想定外の出来事にしばし呆然としたアリババだったが、ともかく今は思考を切り替えねばならないと気付いた。
目立った混乱が起こっていない事から見て、街の住人はおそらくまだ封鎖されたという事実を知らない。
各国の要人が集まって来る話は知らされているだろうから、いつもと違う空気なのもその所為だとぐらいにしか思っていないのかもしれない。
「原因とか、分かってるのか?」
「地下の街で疫病が出たのですって。でも危険だからって近寄らせて貰えないらしいの」
取ってつけたような理由だ。真偽のほどを確かめていないから決断は下せないが、このタイミングを狙っての封鎖である事は間違いないだろう。
「……そうか。ありがとうな、お前も大変だろうに」
「話して来いって仰ってくだすったの、お兄様なの。私たちの方が、幾分かは身軽に動けるだろうからって」
名前や立場が認知されていればいる程、気軽に身動き出来なくなるのは事実だ。
紅炎や、まだ顔を合わせてはいないが同じくこの国を訪れているであろうシンドバッドなどは、世界的に名前が知られ過ぎている。
「そっか……じゃあ、期待に見合うだけの働きしないとな」
「私の方も、出来る限りの事をしてみるつもりよ」
「何か分かったら知らせる。くれぐれも気をつけろよ」
マグノシュタット、突然の封鎖。
元五等国民が住んでいた地下の街の一角で疫病が発生、表向きは周囲への伝染を防ぐための措置と言われる。
この機を狙っての計画的な封鎖だと思いつつも、周辺諸国が手を組んで封鎖に当たっている為強行突破は出来ず様子見に。
アリババは自分よりも先にこの国に訪れていたアラジンと合流するべく行動を開始。その途中、別ルートからマグノシュタットを訪れていたモルジアナとも再会する。
アラジンは友人であるティトス、彼と共に暮らすマルガ、そしてこの機会に顔を合わせようと故郷からやって来ていたスフィントスと共にいた。
だが、マルガと共にここの住人となっていたティトスも今回の件は突然の事だと言う。
最近は表立った行動をみせていなかった組織が裏で暗躍しているとは思われたが、証拠がなく封鎖された国内からでは情報が見えてこない。
封鎖内で必死に情報収集していた彼らは、思いも寄らない人物と邂逅する。
「よぉ、久しぶりだなチビ」
「ジュダルくん……」
ジュダルは組織に育てられたマギだ。
快楽思考が強く気まぐれで、何を考えているのかよく分からない。
皆の警戒を感じ取っているのか否か、ジュダルはにこやかに笑ってひらひらと手を振ってみせた。
「お~やだやだ、怖ぇ面しちまってよぉ。俺は別に何もしてねーだろー?」
「……お前は組織の人間だ。今回の封鎖についても、何も知らないとは思えない」
「ははっ、相変わらず模範解答っつーか、良くも悪くも普通の思考だよなぁアリババクンは」
小馬鹿にするようなジュダルの態度だったが、その言葉に引っかかりを覚えた。
罠である可能性も否定できないが、今回の封鎖はジュダルにとっても予定外の出来事だったのではないか。
だからこそ自分たちに接触してきたのではないか、と。
「まさか挑発する為だけに出てきたわけじゃないだろ? 何が目的なんだ」
「話が早くて助かるぜ。結果だけ言っちまうとな、この封鎖は7日後に解かれる」
「7日後?」
「そ。封鎖内の人間が全員死ねば、もっと早いかもしれねーけど」
詳しい話を聞くと、ジュダルは封鎖している人間を締め上げて何がどうなっているか口を割らせたらしい。
脅した人物は全てを知っているわけではなかったから目的などは分からなかったが、今この国にいる誰かを抹殺すべく封鎖が行われたのだとか。
指揮しているのが組織なのか否かは分からない、少なくともジュダルには知らされていない件だった為今回に関しては巻き込まれているのは同じだと語る。
単純にその言葉を鵜呑みにする訳にもいかないが7日後というタイムリミットが設けられている事に状況が相当切迫しているとアリババたちは判断、同じく国を訪れているシンドバッド・紅炎にもそれぞれ話を持っていく事にする。